海の底で息をして

『ん〜…パンダ!』

 

2016年5月1日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

「こんばんはぁNEWSの加藤シゲアキでーす今週もスタートしました、FMヨコハマSORASHIGE BOOK!あ5月1日ですね!小山さん誕生日おめでとうございまーす。32歳ですか…知り合ったころは16だったのにねぇ、早いもんっすね、えー今後もね、よろしくお願いします素敵なおとなになってください。え~メール1通読みたいと思います!え~」

〈部長に番組や雑誌などの感想や質問を送りたいのですが、質問がいつも思いつかないので感想だけメールしてもいいですか?他の部員みたいに感性が豊かではないので疑問に思うことが少ないです。加藤シゲアキのファンとしてどうなんだろうと悩んでしまいます。部長のファンとしてときどき自信喪失しますがこれからも応援します〉

「なんでこんなしたてなんすかね全然いいですよ!もう感想だけでもお気持ちだけ伝えてくださればもう、そういう方もたくさんいらっしゃいますしね。なんかすごい、あの~確かにね、僕のファンの方すごいあの分析好きの方が多いというかね…あのーそれは確かにその通りなんですけれども全然もう気楽にね、えー…友達にメールを送るような感じでもね送ってくれてもかまいませんし。えーそんなあの、卑屈にならずに、こう思ったんです!どんなことでもいいのでね、えー僕も全然感性豊かなわけでもないですしね、ぜひぜひあのーどんなことでも、メールしてくださいな!はい、というわけで、今週も30分よろしくお願いしまぁす!」

 

・音楽部

宇多田ヒカル「花束を君に」

加藤シゲアキの今週の音楽部。えー今週の一曲なんですが、あの~まあちょっと…最近はまってるものがありましてね、えー『とと姉ちゃん』(笑) あのーまんまとねえ、はまりました朝ドラ!久しぶりなんすよ、なぜなら僕まだ『あまちゃん』ロスが抜けてなかったんですよね。でなかなか次にいけなかったんですよ、どんだけ引きずってんだっていうね(笑) 2年2、3年引きずってましたね。でなんかみもーいろんなものが話題になってたんですけど、なんかこうあと長いから、ちょっとこう、億劫んなってたりしたんですけど、『とと姉ちゃん』すごいおもしろいっていう話題になってたのもありましたし、あの~見よう!と思ったタイミングちょうど良くて、でまあ西田さんですしね脚本僕も何度かお会いさせてもらったりお話させてもらったりしまし、たけど。っていうまあ縁もあって、え~今回、ちょっと『とと姉ちゃん』見始めたんですけどもうね、まだ現時点でね、そんなにまだ、ひと月くらいですか、も号泣。毎日号泣。…(笑) まいま、前半特にね、一気見したんすよ2週目ぐらいで、まとめて見たの。したらもう、すごいね!掴み完璧だね!へへへ(笑)

いやなんかこう~こんなふうに僕もあれですけどぉ偉そうにねぇ?そんな作家ぶって申し訳ないすけどこうもの、がたりを作るっていうのでこう、15分を毎日書いてくっていうまぁま6日間ね、毎週。で、展開作るってすごい、じゃないすかしかもその家族のね、細やかな機微ま全、それ朝ドラに関してですけど。すごいなと思ってて、こう…なんか、なんもなかったなーみたいな週がないっていう、それってすごいよなってまずまあ『あまちゃん』のときもそうだったんだけど、思いましたしね~『とと姉ちゃん』まみんな好きんなっちゃうよね!こう悪い人が全然出てこない感じ。すっごい、好き。えははは!(笑)

うん、まあそんなわけで、ま見てるんすよ。ま物語もすごいいいんですけれど!なによりですよ、主題歌!すごい!まじで、もう~すごい!ほんとに(笑) ま「花束を君に」という宇多田ヒカルさんの、歌なんですけど。あの~、ま単純にすごく歌すごい好きですし良い歌なんですよ、そメロディーも。で、あの~…まあい、ネタバレにな、るっつってもあれでもわかると思うんですけど一週目で、こうお父さんが亡くなってしまうっていうこともあるから、ま死っていうものはすごく全体を包んでるわけです『とと姉ちゃん』家族の死っていうだから、自分がととになる、お父さんになるっていうとと姉ちゃん、の話なんですけど。あのー…そういう、死のニュアンスがまあちょっと宇多田ヒカルさんもねえいろいろこう、活動を休止されていたりとか、えーいろいろな経験を経たというところもあるん、だとは思うんですけどねこまあ邪推かもしれませんが。その全体的にすごい死いままでもねけっこうそういうニュアンスはずっとあったんですけど死っていう、そういうふ、テーマが、全体を、映ってないですけどその死をと、を踏まえて、だれかの死を踏まえてどう生きるかっていういろんなアプローチがあるじゃないすか。で今回も、それでも、それで、こう、次の自分たちの人生を、死は無駄にしないみたいな、すごくポジティブなメッセージもある中でせつない、香りがまず歌詞からするわけですよ。普段からメイクしない君がうs薄化粧した朝、始まりと終わりの狭間で忘れぬ約束をしたってまあ、どう思うかはま僕がここで言うのもあれですけれども、ま『とと姉ちゃん』見てるとすごくリンクするような部分もあったり、しますし。あの…今日は贈ろう涙色の花束にって涙って言葉がつくわけですから。

いや~ほんとにね、すごいんですよ。で、ま構成が、なんていうんだろな~こういう~感じでいくと、AメロサビAメロサビAメロサビみたいになってんすよ。でいきなり、あの、ド頭からイントロなしで、フレーズに入ってくんだけど。ま、いままでもそうだった、のかなあとは思うんだけど、あの~…毎日流れるから、で、そんな長く、流れないじゃない。1分ぐらいでたぶん、その、一番いける、曲になってんすよ、たぶん。計算してんすよ。たぶんそういうオーダーじゃない、と思うんすよ。それいきなり朝から2、3分で、15分の尺で、に、に2分ある曲流せない。ま最小限にして、メッセージ伝えてて『とと姉ちゃん』の雰囲気を出す、っていう、たぶんそういうオーダー、に、たぶんなんですよこんな勝手なわかんないよ、想像だけど!(笑) たぶんそういう依頼じゃないすか、朝ドラとかってきっと。それをこういう、構成で、こういう言葉選びで、しかもまったくこう難しい言葉はないのに、めっちゃ響くっていう…そ、こういう曲を作る勇気ね、あと。もーなんか「星の王子さま」みたいに凝ったことでなんか普通の人がやらないことばっかり、やってきた、自分からするとですねほんっとに身につまされるね、す、すげーっすねっていう。ほんとに、言いたくないけ、こういう言葉を、使うのがもうセンスないと思うんだけどほんと天才だな!って、気持ちにね、なるし、これじゃ、じゃあ1番しか流れませんけど、全部聴いたらどうなんだって言ったらすごいそれはそれでもう、そのおんなじ雰囲気でリフレインする中に、3番あたりでまたちょっとこう変わった、なんアクセントが入ってきたりするんですよ。まあ『眩い風景の数々をありがとう』のあたりなんですけど。なんかすごいね、すごいしか言ってないね。なんかすー…ごいシンプルに見えてめっちゃ計算されてる…うん。天才だねー。(笑)

ちなみにですけどその今回えん同時に配信され、ました「真夏の通り雨」っていうこれは『NEWS ZERO』のテーマソングですけれどもこっちもすごいんですけどね!ほんとにこっちも、ま、こっちも、やっぱり全体を通して死っていう雰囲気は、あの…まさよならの仕方をっていうこともあったりするん、ま~あるように、感じるんですけれども。うんこっちはさっきとは違うずーっとこうよどんだような悲しみを、表現していたりとかして、共通するテーマを、まったく違うアプローチしているように僕は感じました。ほんとにこれはこれですごく、いい曲で、まあでもいまちょっと『とと姉ちゃん』にはまっているもんで、「花束を君に」、一日一回ぐらい聴かないとなんかこう~頑張れないよねいま(笑) 朝ドラで聴いて、もっかいフルコーラスで聴いてみたいな日々を、送っておりますけれども。やほんとにすごい、素晴らしい、あの、復活してくれてありがとうございますと、えー思いました。ぜひ、聴いてください!宇多田ヒカルで「花束を君に」」

 

・おたより

「シゲの部活ぅ。いまもう~…なんていうんすかね、まお仕事もありがたいことにいろんな、ことさせてもらってるのもありますしもう休みの日はずーっとねパソコンに向かって、えーいろんな文字を打ち込んでる、まあ一年、通年通してそうなんですけど。日々なんですが、なので今年はもうちょっと忙しくなってきたんで釣りと、映画は、こうかなり制限してるんですよ。まほんとにあの~友達から、これは観た方がいい!って言われたものしか、なるべく行けないんですよね~残念ながらありが、まあ、ありがたい状況ではあるんですけれども。そんな中で、まこれは絶対行った方がいいっていうのをみんな言うので、 ちょっと遅いんですけど公開からかなり経ってしまったんですが、え~観てきた映画がありますそれについてのメール、来ております」

〈最近映画を観る暇はないくらいお忙しそうな部長ですが、おすすめの映画があります。『ロブスター』です。45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられてしまうというなんともシュールな映画で、まったく感情移入できませんでしたがいろいろ考えさせられました。もし観ていたら感想が聞きたいです〉

「はい、というわけで『ロブスター』ねぇ、あの~…こないだ友人と久々に会ったときに絶対観た方がいいって言われたんで観てきました。え~2015年ですね、昨年の、まあSF恋愛映画ってなってんだけど(笑)、まあま言うとそうなのかなあ?もはや、コメディーなんですけどね。え~ヨルゴス・ランティモスっていう監督が、えー撮ったこの監督は、え~『籠の中の乙女』とか、えーですね。僕初めてですねこの監督の作品。

まあどういう話かと言いますといまもありましたが、え独身者は身柄を確保されホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビットもホテルへ送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ、住む、隠れ住む森へ逃げ出す。デビットはそこで恋におちるが、それは独り身たちのルール違反をする行為だった。あの~ちょっと言っちゃってわりとこれ、まあ、出てるね、情報ですから。いいっすかね。まあの~主人公コリン・ファレル、演じるデビット、コリン・ファレルが、あの~、ま奥さんが、亡くなって、その結婚してて、奥さんが死んじゃってもいけないのよ!こ、その、その設定自体もう完璧にむちゃくちゃなんすけど、まあそこ、そういう施設があるわけですよ。んで、まあ独身者たちが集まってて、で、まそこで45日以内にパートナーを見つけられたら、まもとそっから出られるっていう。でもそこでもちゃんとあって、まあ、こうたとえばつきあいました、ってなってから、同じ部屋で住むようになって2週間過ごしたらヨットの上で2週間過ごすみたいな。まそういう、いう~のを、条件、がクリアしないと、ま施設から出れないんですけど。

ま45日、間見つけられなかった場合。あのどうなるかっていうと、ま動物にさせられるんですよ。あの、デビットさんトランスフォーミングルームっていうやつトランス、そんななんか、部屋みたいな。どうやって、するかは語られないんだけど。まいろんな憶測が飛び交うんだけどね。で、まだいたい、犬とか、ま馬とか、まいろんなもの選べるんだよでも、好きなもの選べるんだけどまあだ、いろんな理由があるよねこう~かわいがられる方がいいとか、たくさん同じ種類がいた方がいいとか、まありますけれども。あのーこのコリン・ファレルは、まちょっとこう~ま言ってしまうと根暗っぽい性格で、内気な性格なんすけど。ロブスターって言うんですよ。でなんでロブスターかっていうと、ロブスターってめちゃめちゃ寿命長いんだって。120年ぐらい生きるんだって。で、僕は、海の底でひっそりと長く生きたい…普通の人はあれなんすよだからもっとこう、たくさん友達がほしいとかそういう感じですよ。おれもなにかなっていうふうに、さっきこのおんなじ話を美容院で話したら、『加藤さんだったらなにになります?』って言われて、ん~…パンダ!っつって(笑) 愛されたい、みたいな(笑) たくさんの人に愛されたいパンダみたいな。あと絶滅危惧種とかがいい!みたいな、すげーかわいがられたい、なんか、殺されないやつがいいみたいな、こと言ってたんだけど(笑)

まあそうそう、だけど、そういう、ま普通はそういう方いくんじゃないかなと思うんですけど、ろ、まコリン・ファレルはそれ選ぶんですよね。でぇまたこれでもそういう、なりたくないじゃん。施設から出ていく人もけっこういるわけ逃げたりとか、ま最終的にコリン・ファレルも、まなるんですそこに行くんですけどね。見つけられなくて、パートナー。で、その人はでもこう麻酔銃で、逃げだしたーってなったら見つかったーとかなったら、みんなでその施設から出て探すんですよその人たちを。で麻酔でその、逃げ出した人たちを、撃つと、撃って捕まえてくると、その期間が延びるわけ。で、めっちゃ延ばしてる人とかもいるわけ、150日、もどだからそれが、逆に血も涙もないみたいな感じにはなるんだけどまそういうキャラクター設定の女性なのね。みたいな、こういろんなルールがあったりとか、するんだけど。

この全体的にまじで、すげコメディーっていうか、でまあコリン・ファレルもね、逃げ出すんすよ。まあ、あのー嫌気がさして。で、逃げ出した先はすごいルールがあってそういうなんかこう、まリーダー、わるなんつうそういうグループというか、森にいるグループのリーダーがいて女性なんだけどこれも、その人が言うわけですよこの恋愛禁止だと。で、あのー話しかけてもいいけど、そういういちゃいちゃすんなとか、なんかすごいるーら、ルールがあったりとか、あとみん、音楽は聴いてもいいけどひとりで聴けと。みんなイヤホンして聴くんだけど音楽とか、踊ったりとか、だから、まバレちゃいけないってのもあるしね。で、まあそこでたとえばじゃあちょっといちゃついて、た人は、唇を切り落としてチューさせるっていう、なんかそういうちょっとけっこう、怖いのよ!だからまああれだよねこう、リア充対、非リア充みたいなんで、おれたち一生独身だーみたいな。だから恋愛絶対禁止みたいな世界なんだけど。

まそんたとえばじゃひとりで踊ったりするシーンとかがあんだけど、もひとりでみんなてきとーに踊ってんのがもちょ~~シュールなの。もう、そういう全体的に、シュール、もう、もう、ド直球でシュルレアリスムなんだけど、もめっちゃ笑えるシーンがけっこういっぱいあるっていうか。で、まあそうねこれでもどこまで言っていいかな~ネタバレにもなるしなあ。うん~まあ、でもそれけっこう、けっこせつなくて、そのま施設の中で、ど、こう、好かれたかったりするじゃん。互いに好きになりたいし好かれたいから。で、会話の糸口とかそういうののときに、共通点ってのがあるわけですよ。僕『インターセプト』でも書きましたけど、人との会話とかとっかかりにこう、同じものを好きだったりするとちょっと急に、距離感近くなる、とか。でも、わりとその全体的にだからフェアってのが大事なんだけど、つがい感、このルールの世界では。すごいそれがあって。で、あの…なに言おうとしたんだっけ(笑) あっそうだから、鼻血が出る女の子とかがいて、すごい、まそれいろんな性格の人がいるじゃん。だから身体、身体的特徴もあって。鼻血が出る人がいて、その人とパートナーになりたい男の人が、見てないとこでこう頭ぶつけて鼻血出すとか、そういうことが重要になってくるんですよ。

コリン・ファレルが好きになる人も近眼、お互い近眼だっていう話になるんですけど。やっぱこれがもうね全体的にすーげえせつないんだよね!ほんとにおれはそういうことなのかなって思うんだけど、なんかこう寄せにいったりとか、実際別に違うからっていう恋愛もあるんじゃないかなと思うんですけどま全体的にその、世界ではそういうのが、ふうに描かれてる寄せにいくんすよだから、好きな人に。そこがまた全体的にせつないんですけど。いや~で最後はねぇ、もう~、まじかぁ!っていうね、終わり方。も、は、半分ネタバレするともう、谷崎…(笑) 春琴…みたいなね、えーまここまでにしとこう!えーというわけであっ過ぎちゃった時間!『ロブスター』の話しかしなかったわ!」

 

○主観

映画部の話久々だ~と思いながら聴いていたけど、『ロブスター』とてもおもしろそうで観てみたい。 しげ部長は「違うからっていう恋愛もあるんじゃないか」って言ってるけどわたしにとって好きになる相手はいつも「違う」人、「違う」と感じる人で、違うからこそ同じ方向を見たらどういう景色が見えるんだろなって思う人で、だからこそこの映画を観たらなにか感じるところあるのかなって。最近ちょっといろいろ余裕ないけど終わっちゃう前に機会つくってぜひとも観たい。

今日部活のコーナー1通しかおたより読んでないのに語りすぎて時間なくなっちゃう部長がいつもの部長でふふってなった。これこそシゲ部だよね。たくさんたくさん好きなこと考えたこと話してほしい聞きたい。来週も楽しみ。