獲る鳥何も語らせず

『頑張っていると増えたりする』

 

2015年3月15日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

〈他局の某ラジオをきっかけに加藤さんを知りここ数か月聴き続けています。バランスの良いコンテンツだけでなく人柄にも惹かれてます(「ありがとうございます」)。『ベイマックス』はまさに男の子に観てほしい映画で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような興奮を味わいました。理系の自分だけではなく子どもたちや完全文系(?)のしげ部長も楽しんでいてなによりです。音楽も我々おっさんにも納得の選曲で素晴らしい!NEWSの曲もカラオケで歌えるくらいになりました〉

「ありがとうございます!アルバム『White』もよろしくお願いします!(笑)」他局のラジオとは部長が何度か映画ランキングを発表しているあのラジオのことらしい。『ベイマックス』はアカデミー賞でもアニメ部門で受賞(「優勝…って言わないね(笑)」)しているし、すごいのは子どもでも映画に詳しくない人でも楽しめ、映画好きもいろんな映画のハイブリッドに興奮するところ。みんなが嫌いになれない映画。「小山さんもこないだ興奮してました…ベイマックスよかったと言って(笑)」

投稿者さんが引き合いに出していた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も公開当時そうだったんだろうと思いをはせつつ、そういう当時のにおいがしたりすると嬉しく、勉強になると語る部長。これからも頑張っておもしろいラジオを作っていきます!と改めて意気込む。

 

・音楽部

 ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ2ndアルバム『チェイシング・イエスタデイ』より「イン・ザ・ヒート・オブ・ザ・モーメント」

「オアシスってここにあんのかな~」

 

・おたより

〈『LIVE MONSTER』見ました。「恋のABO」で部長がラップをしていて心がじんとしました(「ありがとうございます!(笑)」)。なぜ「恋のABO」は部長がラップを担当することになったんですか?〉

「恋のABO」にはラップがないので投稿者さんが言っているのはおそらく「希望~Yell~」のことだと思われる。「希望~Yell~」のラップを担当するようになったのは4人になったときではなく6人になったときなので、そのへんの詳しいことはぐぐってくれればわかるかなとのこと。歌割りに「担当」というものはなく、そのとき、そのパートを一番良くできる、うまく歌える人をプロデューサーが選んでそこにはめているんだそう。

 

〈歌割りってどう決めてるの?最近の曲はしげのパートが増えてのどちんこ絶好調だなと思ってます〉

「ONE - for the win -」のラップはまっすーが担当しているものの部長もレコーディングはしているので、カラオケで歌うと「そこ歌えんの!?」とびっくりされるそう(笑)「歌えるわ!自分の曲じゃん!みたいなね(笑)」

歌割りの決め方はどの曲もだいたい一緒で、一応メンバーみんながレコーディングしてプロデューサーが選んでいる。プロデューサーに聞かれることもあるけれど、歌割りはメンバーの判断ではほとんどない。部長いわく、「僕らが選んじゃダメでしょ」とのこと。各々「こうした方がバランス良い」「このパターンもある」とプロデューサーと話したり。手越さんは「こうしたい」と言ってたりするのを聞くけれど、基本的には第三者、最初の聴取者となるプロデューサーが決めることが多いとのこと。「まあまま、うん、ええ、そんな感じです…(笑) 頑張っていると増えたりするんですかね」

 

〈『アメリカン・スナイパー』観ました。激しい銃撃戦よりも日常シーンが印象的で、終わったあと気持ちがあたたかくなりました。部長は観ましたか?〉

部長もちょうど昨日観てきたという『アメリカン・スナイパー』。「イーストウッドは傑作しか撮れない」とよく聞くけれど、ご多聞に漏れず素晴らしい作品だった。もともとニューヨークタイムズに掲載されていた伝記を映画化したのが今作。イーストウッド監督はいま世界で一番品が良い監督なんじゃないか、というくらい、「ここですよ!」的泣き所も作らないし、絶妙なカタルシスが心地よく続く。けれどそれ以上にこの作品は語るのが難しい。アメリカでは賛否両論あるらしく、戦争映画で「そこ語らなくてどうする」問題があるとかないとか…。パンフレットもおもしろかったのでぜひ読んでほしい。

戦争映画ではPTSDがよく描かれているけれど、実際退役した兵士の5人に1人というかなりの多さでかかる病気で、部長もその事実に驚く。観たばかりで考えている途中なのであまり語れないけれど、なるほど!と思えるとにかく素晴らしい作品なのでぜひ観てほしいとのこと。部長いわく、作品賞にノミネートはされていてもアカデミー賞になりづらいのはそういうことだったりするのかな、と。「難しい作品、だからこそ見逃しちゃいけない作品だなと思いましたけどね」

 

〈『薄氷の殺人』観ました。登場人物の視点からそのまま視点が乖離していくことでグイ・ルンメイの美しさが際立っていました。中国映画といえば『二重生活』も部長の好みだと思いました〉

「『薄氷の殺人』…話したかな?まあもう1回言ってもいいか(笑)」『薄氷の殺人』はもう1回観たい。映像が美しく、ストーリーが特別すごいサスペンス・ミステリーではないけれど語り口が斬新で、部長的にはチャイナタウンを思い出す。「言ったかこの話」

『二重生活』は予告でなんとなくストーリーがわかるなあと思っていたけれど部長が考えていた話と全然違って、「けっこうなサスペンスね」と思った。中国映画はいまおもしろいとこあると思うので、『二重生活』おすすめ。

映画つながりでアカデミー賞の話。「びっくり…だったね!(笑) だれに言ってんだって感じですけど」

同世代との話では『6才のボクが、大人になるまで。』が総なめするだろうと話していて、というよりさせてあげたい、少なくともこの実験的な試みに監督賞を獲らせてあげたいと思っていた。けれどそれを抑えて受賞しまくる『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』はどれだけすごいのかと驚愕した。『バードマン』の試写に行った人に話を聞いても全然ストーリーを教えてくれず、全編ほぼワンカット風ということしかわからない。この手の予告・ネタバレがない感じはストーリーが説明できない、あるいはしない方がいいという作品なので、公開後ネタバレが増えていくことを考え早めに行かないといけないと思っているそう。

ほかにも、4月公開の『セッション』は意外とすごいすごいといろんなところで評判を聞くし、『インヒアレント・ヴァイス』あたりも気になっている部長。「4月やばいね!と思っていますけど」

とにかくおもしろい映画ががっつりで、『フォックスキャッチャー』もまだ観られていなくてすごいと話聞くので観たい。

 

〈私は受験生で、よくジャズを聴きながら勉強しています。しげはジャズを聴きますか?おすすめのがあったら流してほしい〉

ジャズは好きだけど全然詳しくないと言う部長。小説を書いているときや、人が家に来るときは歌詞があると会話の邪魔になったりするのでだいたいジャズを流しているそう。なぜシゲ部でジャズをかけないかというと、「ほんとにみんな寝ちゃうんじゃねーかなっていう(笑)」

歌詞があるから退屈しないという人の気持ちもわかるのでそのあたりを配慮してとのこと。部長は「聴き初めジャズ」というのをよく配信で買っていて、アルバム5枚すべてを持っているそう。「聴き初めジャズ」は初心者向けで名曲と呼ばれている曲も収録されているのでおすすめ。ビル・エヴァンスをずっと聴いていたり、チャーリー・パーカーなどほかにもいろいろなジャズが入っている。「ジャズは詳しくなくてもいいんじゃないかって僕は思ってる派なんで」

ビル・エヴァンス著作権フリーになっていてネットで聴けると思うのでぜひ聴いてほしいとのこと。「嘘ついたらごめんなさい」

 

○主観

シゲ部で映画の話になるたんびに思うんだけど、個人的に映画というコンテンツがなかなか好きになれなくて落ち込む…。部長が勧めたからアナ雪もマーニーもジャージーボーイズも観に行ったしどれも素晴らしい作品だと心から思ってるのに、かといってじゃあこれからもどんどん映画を観よう!あれもこれも観に行こう!映画って大好き!と思えないのがなんだか寂しい。というのもどうしても映画より舞台の、現在進行形のナマっぽさの方が好きだなって思っちゃうからなんだけど。あとなにより終わったあと拍手できないのが映画の一番つらいとこ。どんなに素晴らしいって思ってもそれを身体で表現できないのってものすごいフラストレイション。別に無理に好きになる必要なんてないだろうし本当に映画が好きな人から見たらなんじゃその不純な動機は!って思われそうだけど、しげが好きだからしげの好きなものやことが好きだし好きになりたい!のになれない!っていうフラストレイション!…4月以降余裕があったらバードマン観に行こうかな。