"How kind he is!"

『チクっちゃダメだよ?』

 

2015年7月5日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

「あっバースデーウィークですか!まあ、あんまりね誕生日ではしゃぐっていう年齢でもないとか言うと、怒られるんですかね(笑)」シゲ部長27歳最後の放送!

〈「ラジオネーム、『スカイという名の澄んだ海』…はあ、かっこいいですね」最近部長のことをだんだん好きになっている者です。正直に言うとNEWSではないグループのファンなのですが、本や映画の趣味や音楽ができるという共通点を知り、かなりの高得点(「(笑) 恐悦至極でございます(笑)」)!曲作りやNEWSの音楽の話なども聞きたいです〉

「ありがとうございます!16歳なのにやたらとしっかりしたメール、そしてときどき上から目線というとても気持ちが良いメッセージでございました…(笑)」16歳の女の子からのメッセージに、期待してくれているならその期待に応えよう!と意気込む部長だった。

 

・音楽部

藤井隆 feat. 宇多丸「Quiet Dance」

先週の安室奈美恵さんのアルバムに続き、部長が楽しみにしていたという藤井隆さんの約11年ぶりのオリジナルフルアルバム『Coffee Bar Cowboy』。ご本人も「棺に入れたい」と言うほどの作品で音楽家たちも注目しており、部長も「もっと評価されてほしい」と語る。スーパーバイザー兼共同プロデューサーとして西寺郷太さんも参加しているため、部長いわく「ジャニーズ好きは聴くべき音楽」とのこと。西寺さんはV6など数々のジャニーズグループの楽曲にも関係しているため、ジャニーズファンの中にもファンは多いのでは?「どれもこれも冷めた熱量と言うとちょっと不思議ですけど…」

ぜひ聴いてほしい、と部長一押しのアルバム。

 

・おたより

「言い忘れましたけど」先ほど音楽部で流した曲の宇多丸さんのラップがいつもより色っぽい、セクシー。いつもはかっこいい男の生き様という印象だったのに「あれ宇多丸さん…ちょっと、エロい…って勝手に思いました(笑) これだれかチクっちゃダメだよ、ほんとに(笑)」

日宇多丸さんと軽くお仕事もしたので、また情報解禁になったらお話してくれるとのこと。今日は「チュムチュム」とライブがあったせいでメールがわりとそこに集中しているので、自由に話したい気分。「メールを無視することも多いと思います…先に言うなみたいなね(笑)」

〈書店回りの色紙にあったカサアリのはんこがかわいい!だれの作品?〉

今回東京・大阪で書店回りをして、初めて回ったところもあればいつも回っているところもあった。色紙には日付を入れているのですぐ気づいた方もいたそうだけれど、4回目だからだいぶ慣れてきて、同じコメントばかりしていたら失礼だなと思い遊び心を加えたりしていた。もしよかったら部長が行った書店回りを追ってみるのも楽しいんじゃないか。

今回は色紙に「加藤シゲアキ」という落款プラス、青い「カサアリ」という蟻と傘の消しゴムはんこを押したりしていた。はっきり言ってしまうと部長が作ったのではなく、編集の人が夜なべをして作ったとのこと。その方が書店回りに行く書店にあらかじめロケハンのようなことをした際、最近来たいろんな作家さんの色紙を見て、『さよならニルヴァーナ』(「いま手元にあるんで、この次読もうと思ってる作品ではあるんですけど」)を出した窪美澄さんの色紙に消しゴムはんこが押してあったんだそう。それがすごく良くて「悔しい!」となったので一生懸命頑張って、夜なべして彫ったんだとか。ナンシー関さんや樋口武弘さんもよく消しゴムはんこを押していたりするので、もし来年も本を出せたら自分作ってみたい部長。字は反対にしなければいけないなど難しそうだけど、好評だったので編集の方にありがとうと伝えた。「書店巡り楽しんでいただけたらと思います!」

 

〈先日『王様のブランチ』で本棚が紹介されたとき、福永信さんの『一一一一一』という小説が気になったので読んでみました。いままで小説を読んでここまで頭が混乱したことがなく、すごく不思議で一気に読んでしまいました〉

あの本の並びで『一一一一一』はけっこう読書難易度が高く、裏を読み取る読解力が必要。部長自身もけっこう「なにこれ?」と思いながら読んでいて、ただやっぱり他ではできない読書体験ということは間違いない。『一一一一一』はつまり「3.11」のことで、遠くの震災をイメージしているとよく言われている。タイトルに込められた意味のようなことを読み解いていくことによって楽しめる部分もある。まったくもって直接的じゃないので、部長も「これは小説なのか!?いやでも小説だよな…」と葛藤して読んでいたそう。本当に忘れられない、時間が経てば経つほど好きになっていく一冊だった。

最近も似たような読書体験をして、それが高橋源一郎さんの『さようなら、ギャングたち』という小説。よく言われるのがポストモダンで、1981年の刊行当時はかなりセンセーショナルだったんじゃないかと推測する部長。有名作品なので名前を知ってる方もいるかもしれないけれど、一言で言うと「なにこれ!」なおもしろい作品とのこと。『さようなら、ギャングたち』とはざっくり言うと人の名前のことで、「さようなら、ギャングたち」という詩人と、「中島みゆきのソングブック」というヒロインと、「ヘンリー四世」という猫が出てくる。説明するのは難しく、また野暮だけれど、詩的なので詩を読むような感じでばーっと読める作品ではある。

とにかくおもしろいし、そこに裏付けられたメッセージを読み解いていくと『一一一一一』じゃないけれど「なるほどそういうことか!」と思える。部長は途中まで読んだところで、すげーおもしろいけどどういうふうに読めば良いかわからず、編集さんに相談していたんだそう。そしたらそこにいた角川のスタッフがその作品を好きで、文庫の最後の解説を読むとよりわかると教えてくれた。そこで解説まで読んだら「なるほどな」と。ギャングと詩人という、頭と身体の対比なども読みほどきつつ、高橋源一郎さんの生い立ちや生き様ともからめていくとそういうメタファーだったのかと驚く。考えなくてもおもしろいけど考えるとより「すげーおもしれー」と脱力してしまう一冊で、部長の人生の本ベスト10に入ってくるかもしれない。

『王様のブランチ』で紹介した本棚は単行本用で、文庫の棚にも好きな本をいっぱい入れていたそう。『さようなら、ギャングたち』も文庫本で買ったけれど単行本も欲しい。

 

「『あっどうもはじめまして旅』の話が一通もないのはなんなんだろうね!『チュムチュム』で頭がもう侵されてるのかなーと思って(笑) ちょっとリアクション待ってますよ!」テレビ活動に関する感想も待ってます!

『あっどうもはじめまして旅』で、放送時間は15分くらいだったけれどアレクサンダーさんと一日中ずっと旅をしていて、ドライブの間もずっとカメラも回していたそう。アレクサンダーさんは素晴らしい人で、入り口は「嫌い」だったけれど素敵でちゃんとした方だった。テレビはテレビで、本当は人間的な人だと思って印象が変わりいまでは大好きな人になった。唯一カメラが回ってないときに、「シゲちゃん小説書いてんでしょー?おれ買ったんだよね気になって、本読まないんだけどせっかく仕事するのになんかあれじゃん?と思って、ちょっとしか読んでないけどすげーおもしろいよね」と言ってくれたとか。

部長はあんまり自分から人に「読んでください」と言わない。本を読むのは時間も使うし、もし興味があれば…程度で、能動的に読んでもらえたら嬉しいけれど「ぜひぜひ!読んでくださいおもしろいんで!」とはなかなか言いづらい。そんな中で普段本も読まないというアレクサンダーさんが読んでくれて、すごい優しいなと思った。だから帰りがけに『傘をもたない蟻たちは』もぜひ、とさしあげたらTwitterでも読むと言ってくれたらしく、本当に嬉しい。こうやって普段絶対に交わらない人とお仕事できるというのが最近すごく楽しいし、テレビ的な内容も(「自分で言うのもなんですけど」)おもしくなっていたので感謝。もう放送は終わってしまったけれどたくさんの人に見てほしかった。「またいつか…やってるときはすごいしんどいんだけどね(笑)」

『タイプライターズ』『NEWSな2人』の感想も待ってます!「『マッドマックス』の話が来週できたらなー!」

 

○主観

カサアリのはんこかわいいーってわたしも思ったけど、色紙で一番かわいいと思ったのはどこの書店か忘れたけどしげさんが傘と蟻の絵を描いて「※←ありだよ」って謎の注釈つけてるやつ…なんだろう、「作家」の顔できりっと写ってる写真の横に異常なでかさの傘と蟻描いてること自体あれなのに肝心の蟻の絵もなんかすげー気持ち悪いし「ありだよ」の文字も男子中学生みたいだし愛しさしか感じない。このギャップ。ナイスCawaii

 

どうでもいいけどこの記事ちょうど100記事めで、あーもうそんなに書いたのかーってすごく感慨深い。書いたっていうかたんにラジオまとめてるだけだからすごくもなんもないけどよくまあ飽きずにこられたなあという。本当は100を記念してなんらかの語り記事書こうと思ってたんだけど案の定時間なかったよね。

今後もゆるっとぬるっと続けていけたらと思うのでゆるっぬるっと役立ててもらえたら嬉しい。とか言いながら7月はたぶん死ぬほど忙しいので毎回更新できるかは定かじゃない。悲しい。