運転はスピーディーかつバイオレンスかつマッドに

マッドマックスのことしか考えたくない』

 

2015年7月12日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

昨日が誕生日迎えたシゲ部長。「27歳と決別して新たに28歳という日々をまさに昨日から過ごしているわけですけれども」スタジオにはお祝いのケーキも!

〈28歳おめでとうございます!最近は部長のいろんな表情が見られて幸せです。これからの1年も毎日笑っていられますように〉

〈誕生日おめでとうございます。6年前から応援しています。28歳の小説家の部長としては『ピンクとグレー』の映画が公開されますね。NEWSとしての活動も楽しみです。これからも応援してます〉

「たくさんのメッセージありがとうございました」28歳になったという自覚はまだあまりないけれど、もう少ししたら28歳でいろいろとしたいことを考えていきたい。とりあえずいま考えているのは「何事もメモろう」ということ。日記ではないけれど、いろんなことが日々起きすぎていて、大事に思ったことやふと思ったこと、アイディアなども含めて、おもしろかった話や悲しかった話など、いろいろとメモしていきたいそう。いろんな番組に出演する際、「最近嬉しかったことはなんですか」「悲しかったことはなんですか」といったアンケートがたくさんあり、平穏無事に過ごしている方が少ないからきっとあるはずなのに、ついつい「なんかあったよな」と思いながらも忘れていっちゃうのはよろしくない。前にもテレビでノートを持ち歩いてると言ったけれどあんまり書きこんでいないので、毎日ちょっとずつ、細かいことでもメモっていけるといいのかなと思っているとのこと。「つまり日々を大事に過ごしたいということです、忘れずにね」

「Happy Birthday」のリクエストがたくさんきていたけれどもう自分でかけるのもなんか変なので、頭の中で流していく。まだ新曲を聴いてほしいということで1曲目は「チュムチュム」。

 

・音楽部

MONOEYES「My Instant Song」

部長の好きなELLEGARDENの細美武士さんがELLEGARDEN休止中に並行して新しく結成された4人組のバンド、MONOEYES。同じく細美さんが結成したthe HIATUSと同じメンバーを有しつつも、その色は変わるだろうと言われていた。アート性が強く、プログレチックなthe HIATUSと異なり、MONOEYESはどちらかというと「よっ!待ってました!」と言いたくなるようなエモいロック。「ウェ~イ!」となるよりも感傷的になるような、それまでのELLEGARDENの方向性とは違う印象。結成当初はファンも「そっちっすね!」という感じで受け入れていた。「かっこいい、サイコー、おしゃれ!みたいな、そんなアホみたいな感想(笑)」

メロコアチックなロックやパンクなロックはやらないのかと思っていたところに、MONOEYESの音楽性はまさにそういった類のもので、まだ細美さんの中に残っていたと思わせられる。7月29日にファーストアルバムが出るので、ELLEGARDENthe HIATUSも知らなかったという人はここから入り口でもいいのでぜひ聴いてほしいとのこと。

 

・映画部

〈今年の4月から映研ゼミに入り、3か月で30本以上の映画を観ました。部長の最近のおすすめ映画はありますか?ちなみにゼミの影響で高倉健さんにはまりました〉

「とても良いと思いますよ」あまり詳しいわけではないけれど日本の任侠映画は歴史もあるしおもしろいものは本当におもしろい。いまの若い人にとっては北野武さんの任侠映画の方がおもしろいのでは?

最近のおすすめというと、もう今年はスターウォーズ祭りがくるというのは去年からわかっていたのだけれど、その手前にくる祭りをすっかり失念していた。「おれいま『マッドマックス』のことしか考えたくない!ぐらい『マッドマックス』!」

ジョージ・ミラー監督のシリーズ作品で、部長はこれまで同シリーズをまったく観たことがなかったそう。この「マッドマックス祭り」が来ることが数か月前からわかっていて、先に観た人たちの間で「これやばい」「マッドマックスだよ」と話題で、もはや共通言語が「マッドマックス」という感じになっていた。部長はといえば「マッドマックスって聞いたことあるし~車で戦うやつでしょ」というアホなイメージしかもっていなかったので、性分もあり事前にシリーズを観ておこうと思った。その時点では今作が続編かどうかもわかっていなかったのだけれど、結果的に言うと今作は4作目で、過去3作はそれぞれ79年、81年、85年制作のもの。およそ30年もの期間が空いていて、過去3作とは話の内容的には続いておらず、流れを踏襲していたり設定を受けたりはしているけれど別のもの。部長は3作目は時間がなくて途中までしか観られず、公開当時もあまり盛り上がれなかったんだそう。2作目が一番傑作とされていて、1作目はカルト的人気はあるものの低予算映画ということもあり、いま観ると少しゆるいとか。

1作目のあらすじとしては、警察官をやめたマックスが近未来の荒廃した世界で暴走族を取り締まるというもの。とにかくマックスがかっこよく、勧善懲悪の物語と言えるかもしれない。カーアクションが激しくもはやカーバイオレンスといったところで、当時は斬新な演出もあった。2作目はどんどんビジュアルが強くなっていき、部長の世代からするとゲームっぽい感じもありつつガジェットやファッションがかっこいい。ということをふまえて今回の4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はそれらの続編ではなく、マックス役はトム・ハーディ。「トム・ハーディってかっこいいよねえ~」

部長は『ブロンソン』を見て以来トム・ハーディが大好きで、他にもバットマンのあれとか(「バッドマンのあれとか(笑)」)『インセプション』なども好きだそう。約2時間の本作、部長はIMAX3で観たけれど正直1回では絶対に消化できない情報量で、とにかくスピーディーでテンポが速いのに飽きない作品。普通はテンポは速すぎると飽きるし疲れるけれカタルシスがずっと続いて、始まって5分くらいで「あ~~!」と声を出したくなるくらい。「マッドマックス」とタイトルが出た瞬間に「フォ~~!!」みたいな気持ちになるんだそう。「こういうアホみたいな感想しか出ないんだけど(笑)」

ビジュアルやカット、脚本も含めて完璧でありながら話自体はオーソドックスで、荒廃し支配された世界に捕えられたマックスと女性たちが脱出しようと試みるというもの。豊かな緑の土地を求めてカーで(「乗り物で(笑)」)逃げ出すという話はシンプルだけれど、登場人物それぞれの物語が進行していくのでけっして薄い感じはしない。本作で支配者たる敵を演じているイモータンジョーは『マッドマックス』シリーズ1作目でも悪役を演じており、主役の俳優は違うけれど36年経ってもラスボスをやっているというのがちょうかっこいいし、雰囲気がある。

「もう時間きちゃったからここで切っちゃうけど」

とにかく『マッドマックス』のことしか考えたくないというくらい同作にはまっているシゲ部長。「加藤さんの映画上半期トップランキングはなんですか」というおたよりも来ているけれど、「マッドマックスです1位。…(笑)」

上半期映画ランキングトップ5は以下の通り。

1位『マッドマックス

2位『Mommy』

3位『バードマン(あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

4位『セッション』

5位『海町diary』「とても素敵でした」

「『マッドマックス』なんだよな~おれもう1回行きたい」

もし『マッドマックス』のフィギュアとかあったら部長は買っちゃうタイプだそう。

 

○主観

 しげさんのお誕生日普通にお仕事あってなんで会社規定の休日にしてくれなかったのか甚だ疑問だったけれど、たくさんの人にお祝いされてるの見てとても幸せな気持ちになった。しげさんが幸せならそれでもう世界オールオッケー。

今日のシゲ部、音楽部も映画部もなに言ってんのか全然わかんないしちんぷんかんぷんぷんぷんでひたすら聞こえてきた音を紙に書き留めてるだけだったけど、でもそうやってなにかのものことに対して楽しそうにしていたりあふれんばかりの熱量を注いでいたりするのを外野で受け取れるのってすごい幸せだなあってしみじみ思った。わたしずっと映画が苦手で、映画が苦手な自分が苦手で、しげさんが好きなのになんで映画のことこんなに好きになれないんだろってけっこう深刻に悩んでたけど、別に無理に好きにならなくていいんだよなってすごいすっとした。しげさんが好きなのを見たり聞いたりしてるだけでいいよねそれ以外になんもいらないじゃんって。今日の映画部聴いてすごく肩の力抜けた感じ。好き。(結論)