looking on him, with sincerity

『うそです』

 

2015年4月19日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

〈先日ライブツアー初日に初めて彼氏と一緒に行ってきました。彼氏と一緒にコンサートに行く夢が叶って嬉しいです。次の夢は彼と子どもと3人でNEWSさんに会うことです〉

「ほんとですか、嬉しいですね」初日にハプニングはつきものだけどそれこそ特別なものとして受け止めてもらえたらという気持ちで頑張っていた。今回カップル、というか男女で来てるお客さんがけっこういるなという印象を受けていてとても嬉しい。このラジオでもよく言っているけれどいろんなお客さんが来れるライブでありたいと常々思っているので嬉しい。「末永くお幸せに…へへへ(笑)」

仙台の公演でスタッフが結婚したという流れから、お客さんの中に「9月15日に結婚しました」といううちわを持っている方を小山さんが見つけて、お二人に立ってもらって話したんだそう。「どのファンなんですか?」と言ったら奥様はまっすーのファンで男性の方が部長のうちわを持っていたとのこと。「僕は男の人に人気があるなと自分で思いました…あははは!うそです(笑)」

 

・音楽部

見田村千晴「わたくしどもが夢の跡」

タイトルは松尾芭蕉の俳句「夏草や兵どもが夢の跡」にインスパイアされたもの。「余談ですが金髪似合ってるなと思います(笑)」

 

・おたより

見田村千晴さんについて、共感する・共感させることがなにもかも表現のすべてではないとは思うけれど見田村千晴さんに関しては非常に共感してしまう。いつも自分と重なる印象を受ける。

『白熱ライブビビット』や小説、ライブ等いろんなメッセージが来ているのでどれから読むか迷いつつ、まずは短編集について。

〈性描写にこだわるのはなぜ?作家するうえでスタンスみたいなのがあるの?〉

〈大々的に性描写と言われているけどそこが見どころなの?どんな気持ち?〉

「まあそう書きますよね」ジャニーズが小説で性描写に挑んだというのはいままでやってなかったことなので、前面に出されてしまう部分はある。性描写が書きたかったわけではなく自分が書きたい物語に必要不可欠な「装置」だった。いままでは必要なかったり『ピンクとグレー』の中では必要程度に書いたぐらいだったり。性描写が好きと言うとあれだけれど内面の葛藤が好きなので、そういう意味で言うと性描写がないと物語が成立しないなと思った特に『染色』からは気にせず必要なら書く、逆に避ける方が作家をやるうえでは不誠実なのではないかと判断した。ジャニーズだから受け入れられるのかなという不安はあったものの、自分が書きたいものはこれだという思いをいまでは気にせず放出できる。だから「性描写だ!!」と思って読む必要はまったくない。「そんなにおれも、エロいこと書きてえ~!!っていうことじゃないから(笑)」

そこに生まれる人と人との結びつきであったり、逆に性行為を介してしまったがゆえの悲しみであったりを描きたいと思っているのでそれぞれの楽しみ方で楽しんでもらえればとのこと。

 

〈いままで読書が苦手でしたが部長の本をきっかけに本を読むようになりました。おすすめの本があれば教えてください〉

読まず嫌いというか、読んだことないから読めないという方も多いけど読んでみると意外とすらすら読めると思う。最近は小説の直しもあり部長もあまり本を読めていなかったけれど、どうしても気になって又吉さんの『火花』を読んだそう。又吉さんは本好きで有名でお部屋も本まみれだそうで、小さいときから本を読んできたわけではない部長としては憧れているんだとか。本まみれだとかDVDまみれだとかマニアックなものに囲まれている人に憧れがある。

期待して読んだ『火花』は評判に違わず本当におもしろかった。芸人の又吉さんやジャニーズの部長に共通して言えることだけれど、そういう人が最初に書く本は基本的にはそこに絡めて書くべき。『火花』はお笑いに関する話で、『ピンクとグレー』に少し被る部分もあるので好きな人にはおすすめだそう。内容はとある売れない漫才師が夏祭りで破天荒な先輩漫才師と出会い、そのうちのひとりと親密になっていくというもので、先輩を通して考えていく物語。純文学的で内面の心理描写も非常に細やかで言葉も美しい。ダメ人間を描くというのは小説としてまっとう(「偉そうなこと言うと」)で、魅力的、滑稽なのに文学的。「僕が言うと浅薄な感じしますけど、本当におもしろい」

部長もよく「こじらせてる」とか「めんどくさい」と言われるけれどそういう人がいないと小説というものは基本的に成立しないしそういう人しか書けない。「『こじらせてる』という言葉が一般化しすぎてめんどくせーなって感じはありますけど」

一筋縄でばーんと気持ちよくなにも考えずにやってるように思われるかもしれないけれど実際はいろんなこと、これが向かないとかこれが向いてるとか考えて前に走っていて、それは作家ならきっと全員そう。それで自意識が高いと「こじらせてる」ことになるんだろうと推察する部長。『火花』に関しては共感もあって、「こじらせてんなー」ってよく人に言う人にこそ読んでほしい。「こじらせてる」人がどういうことを考えてどんなふうに悩んで生きてて苦しくてっていうのを感じてほしい。

『火花』は北海道の飛行機の中で読んでいたけれど自身と重なるところもあり泣きそうになった。滑稽でみずみずしく、ある意味清純な小説だった。「絶賛しすぎなくらいだけど本当にいまはまってて、もっかい読もうかな」

 おすすめなのでぜひ読んでみてくださいとのこと。

 

・エンディング

写真部の部長賞決定!写真に写っていないところがいかに想像できるかという点で選んだそう。受賞されたおふたりおめでとうございます!

 

 ○主観

彼氏♡と一緒にコンサート参加とか超絶リアル充実タイプのジャニオタじゃんなにそれこわい・・・・・・というか常々疑問なんだけど彼氏とか旦那さんがいるジャニオタって自身の心の平衡とパートナーとの関係の平衡をどう保ってるの?わたしは世界でいちばんしげさんのことが好きで好きで大好きで愛してて(ただし恋愛感情ではない)わたしのもつまごころと名の付くすべてはしげさんのものだから、それを理解して受け入れてくれる人とじゃないとつきあえないしたぶんそんなお釈迦様のような人はいないだろうしいたとしてもわたしのもとには来ないだろうしでそういうの全然想像できない。だってすごくない?すごいよ。その平衡がどう保たれてるのかすべてのパートナーもちジャニオタに突撃密着24時したい。

性描写を前面に押し出した広告についてはまあそうだよなー仕方ないよなーと思うけど、それについてこんなふうに丁寧に親切に本人の口から説明していただけるのって本当に幸せなことだと思う。いつだって誠実に自分の言葉でこたえてくれるしげさん世界でいちばん好き大好き。しげさんのつくる言葉っていつだってメイド・オブ・シンセリティ。仮に本当に「こじらせて」たって「めんどくさ」くたってどこまでもシンセリティにあふれてる。ううっ。すき。

でもひとつだけ、芭蕉の兵どもの句わからなかったっていうのは一般常識的にちょっと…だからたとえ知らなくてもそういうことまで誠実に教えてくれなくっても大丈夫なんじゃないかなとは思った。