いつかの好きがいまになるまで

『お兄さんデー』

 

2015年7月19日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

少し前になるけれど『タイプライターズ』について、たくさんメッセージが届いていたのでその紹介から。

〈『タイプライターズ』見ました。朝井さんの「美容院で髪を拭かれたらその分罵ってほしい」という話にすごく共感できました〉

「美容院問題」は人見知りとしてはよくあることだけれど、朝井さんの「その分罵ってほしい」という整合性の取り方にはまったく共感できなくておもしろかった。「罵られたくないよ!っていう(笑) そんな美容院行かないよって思うんですけど」

朝井さんは本当におもしろい人で、『タイプライターズ』がたくさんの人におもしろいと言っていただけたのも又吉さんや朝井さんの「変わってる感じ」のおかげ。部長は自分がいかに凡人か、逆にへこむくらいふたりとも突拍子もない不思議な人だった。

〈『タイプライターズ』、雰囲気も良くてオープニングから引き込まれ、放送翌日さっそく朝井さんの『武道館』を読みました。部長の進行も素晴らしく、ぜひ第2回も見たいです〉

もし第2回があったら又吉さんとまた新たな作家を迎えてやりたい、と意気込む部長。朝井さんは「考えるきっかけを提供したい」と言っていたけれど、そんなこと考えなくてもいいとアイドル側は思う。アイドルについて考えることが実際のアイドルサイドからは良いことかどうかわからない。けれどやっぱり何かを考えるということについて、思考停止してしまうのはもったいないし、自分なりの考えをまとめてもって生きていく方が人間としてより高みにいけるんじゃないか。「偉そうですがそう思うし、僕もそういう人間でありたい」

『タイプライターズ』で何かを感じ取ってくれた人は『武道館』を手に取ってアイドルについて考えてくださるのも良いのではないか。

 

・音楽部

Charisma.com「お局ロック」

何度かかけたいと思っていたものの少しずつタイミングを逃し続け、このたびメジャーデビューアルバム『OLest』リリースということでシゲ部初登場。普段はMCのいつかは雑貨メーカーの事務、DJのゴンチは精密機器メーカーの事務をされているそうで、ふたりともいわゆる「OL」。ラップのリリックもわりとOL目線で、同僚をdisっている感じ(「なめた精神のやつdisるぜ、みたいな(笑)」)の、わりと毒のあるラップが印象的。それに加えてラップの技術やコーラスのメロディーも印象的で、あのスピードで耳に残るというのは本当にすごいスキルと個性。今回かける「お局ロック」はPVもおもしろく、ダンサーの黄帝心仙人が監修しているのでそちらもぜひ注目してほしいとのこと。

 

・おたより

手越さんもCharisma.comが好きでよく聴いてるし歌っているそうで、今回のツアー中にも楽屋でかけてみんなでテンション上がったりしていた。「なんかそういう気持ちになるんだよね『いくぞ!』みたいな。なんか「勝負事の前にぜひ聴いてください」

今回は(「不思議なことに、不思議なことって言うとあれですけど」)おたよりがたくさん来ているので抽選形式で。「いっぱいあるからバシバシ今日は読みたい!まず一通目…シシシシャキン!」

〈部長のサインを見に都内の本屋さんを巡り、その途中『君の膵臓をたべたい』という本が気になったので買いました。このラジオのおかげで興味の幅が広がって嬉しいです〉

「これは僕も嬉しいですね」『君の膵臓をたべたい』は部長もすごく気になっていて書店回り中にも店員さんに紹介された。すごく気になっているけれど積読本が溜まっている状態なので、必ずいつか読みたい。先に読んだという方感想待ってます!

 

「シャッシャッシャッシャッ…シャキン!」

〈以前の放送で「トマトと卵の中華炒めをごはんにかけるとうまい」と言っていたのでやってみましたが、トマトの汁がごはんにしみておかゆのようになってしまいました。もっと炒めた方が良いのでしょうか?(「(笑)」)〉

これはその逆で、トマトは炒めれば炒めるほど水分が出てしまうのでさっと火が通る程度で良いんだそう。部長が以前行った中華料理屋さんで似たメニューがあり、そこではトマトの皮を剥いていて、皮は邪魔になるんだなと食べていて思った。皮を剥いてさっと火を通す程度でやってみては?

 

〈『メレンゲの気持ち』、人見知りの話にすごく共感しました。私も数学の解法など、慣れている先生がいないと聞けず困ることがよくあります。どうしたらいい?〉

部長は魚を3枚に捌けるということで番組で捌く機会も多く、その際「どうやって覚えたの?」と聞かれるので「某動画サイトで一生懸命見て勉強した」と言っている。本当に便利でいろんな捌き方が載っているしわかりやすく解説してくれているのだけれど、それは人見知りだからそうしているのであって、はっきり言って直接聞いた方がよっぽど早い。「人見知りはほんとに時間の無駄が多い」

直接聞いて直接教えてもらい、解説してもらう方が圧倒的に理解しやすい。違う話だけれど釣りの準備に「ノット」というのがある。釣り糸がびゅーっと出てくるところをリールと言うけれど、それに直接エサやルアーを巻くわけではなく、リーダーという1mほどの長さのより頑丈な糸を巻くんだそう。そのままの糸だと細すぎて魚のうろこや岩場で切れてしまうことがあり、逆にガチガチの太い糸をリールに巻くとルアーやエサが飛ばない。そういうふうにするのが釣りの基本ルールで、要は細い糸と太い糸を巻くということだけれど実はすごい難しく、団子結びにしても糸と糸なので外れてしまう。部長はこの作業(糸を結ぶことをノットという)が苦手で、何年も釣りをしているけれど人にやってもらったり、簡易的なノットにしたりと逃げてきたんだそう。

この間馴染みの釣具屋さんに店の人に「それだけ釣りをやってるなら覚えなよ!」と言われ、正直ノットができないのはかっこわるいことでもあるので、これを機に覚えることに。一応それまでも動画サイトで見て覚えようとはしていたもののわかりにくくて、と言ったところ「いまから教えてあげるから」と釣具屋さんに実際に教えてもらった。そしたらある程度の下知識があったとはいえ、あんなに動画サイトを見ても覚えられなかったノットを5分で、1回見ただけで覚えてしまった。やっぱり直接見て話を聞いて、わからないときにわからないと聞くとちゃんと説明してくれるのですぐ覚えられる。直接習う方が本当は(強調)よっぽど効率が良い。「だからそれとのせめぎ合いだよね」

いつまでも恥ずかしがって(「僕が言うのも変ですけど」)本当に大事な知識を逃してしまうのなら勇気を振り絞った方が身のためになることもあるので、わからないときはわからないと聞いた方が良い。「ちょっと先輩っぽいアドバイスしてみました」

 

「でぃんでぃんでぃん…でぃ~ん…選んでるっていうね、最後だけ。ちょっとなんかお兄さんっぽいメッセージを…(笑) お兄さんデーにしようかな」

〈進路に悩んでいる高2です。行きたい大学が2つあり、ひとつは興味のあるファッション系の大学ですが、2年前からなのでいつか変わってしまうのではと不安です。もうひとつは有名大学で、馬鹿のレッテルを貼られているので周りを見返したいのですがその先が見えず不安です。部長ならどちらを選ぶ?〉

「僕だったらファッションに関わる大学の方に行きます」馬鹿というレッテルという周りからの目線・視線を見返したいという気持ちは大事だけれど、見返す方法は大学に行くよりもファッションの仕事で一旗揚げる方がかっこいい。好きとか興味をもてる気持ちをもてない、好きなものに出会えない人もけっこう多い中で、ファッションに関わる仕事がしたいと思えるだけでも、その好奇心の種があるならそこに水を与えた方がより良い花が咲きやすいと思う。部長も高校生のときにファッションが好きだったけれど、高校生で好きだったことを仕事にすると何十年も好きでい続けなくてはいけない。もちろん好きじゃなくなるときもあるけれどお仕事だから距離を置くことはできないので、いま好きになったものを好きでい続けるのはかなり覚悟がいる。けれどそれぐらいの覚悟で仕事をしている人はなんというか実を結びやすい。いまやりたい思う気持ちを優先して、それに関わる大学に行った方が絶対に良い。今後ファッション以上に好きになれるものに出会える保障はない。「好きなものにはまっとうに向かい合って生きていく方が幸せなんじゃないかなと、思います!」

 

○主観

最後のおたよりへのコメントにこころ刺されすぎたせいで、今日も今日とてシゲ部によってしげすき・・・しげのことすき・・・・って ぶつぶつ繰り返すだけの妖怪が生み出されてしまったしげのことめっちゃすき・・・・・なんかもう自分でもよくわかんないんだけど、しげさんの言葉ひとつひとつ全部割れないガラスみたいなのに入れて大事に大事にしまっておきたい。なんでしげさんの言葉ってこんなにあったかくて好きで幸せでつらくて優しくて痛くて寂しくて綺麗で大切なんだろうね。そういうのの理由を全部全部洗いだして理路整然と並べてしまいたい欲求はあるけれど、そんなことをしたらこのふわふわした気持ちが台無しになってしまう気がするからしない。そもそもできないし、だからそもそもしない。ふわふわしてて大切だからそのまま、ケサランパサランのように受け取ったときのふわふわのまま大事に育てたい。そんな気持ち。わたしのしげさんへの好きはケサランパサランでできてる。木箱に入れて大事に育てたい。

『タイプライターズ』、見渡すかぎり評判よくってたしかに番組自体はすごく良かったと思うんだけれど、自分のレベルというか自分自身の感情のステージがまだまだ追いついてなくて、見ながらずうっと自己嫌悪に襲われて涙が止まらなかったからもし次があったらそれまでにはせめて泣かずに見られるようになっていたい。いまはまだ苦くて苦しい。番組自体はよかったと思うししげさんが楽しかったならこれにまさる幸せなことはない。