デスティニーをルアーに添えて

『毎週録ってまーす』

 

2015年8月2日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

〈カサアリの壁紙プレゼントありがとうございます。部長はもうゲットした?〉

『傘をもたない蟻たちは』の発売から早いもので2か月。これまでの作品でも毎回ホームページでデスクトップ用・スマホ用の待ち受けを作ってもらっていて、部長も自分の待ち受けを『ピンクとグレー』『閃光スクランブル』『Burn.』とそれぞれの待ち受けに設定していて、つい先日までずっと『Burn.』だった。今回『傘をもたない蟻たちは』のホームページを作るとき、当然やってくれるものだと思っていたら「今回は考えていなかった」と言われてしまい、「ちょっと待ってよ!」と。「そしたらずっと『Burn.』のままになっちゃうから作ってよ!」と言ったら「え~!?」と言われた。おそらくいろいろ話を通したりするのが大変で一筋縄ではいかないのだろうということで、重版が決まったらお願いしますと言ったら、すぐあとにありがたいことに重版が決まったので「加藤さんに言われちゃったんで」と、編集の方に無理言って作ってもらった。そのためいま部長のPCもスマホも『傘をもたない蟻たちは』の待ち受けになっている。デザインについても、「表紙には傘を持っている人がいるけれどスマホ用は傘だけの方が良いんじゃない?」「PCは傘だけだと白紙っぽくなっちゃうけど携帯は人無しバージョンの傘と蟻でどうですか」等部長の意見も反映されているので、もしよかったらみなさんもぜひ。

 

・音楽部

SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」

おなじみ『進撃の巨人』実写映画版前篇の主題歌として書き下ろされたもの。全編英語詞で、構成やメロのつくりがハロウィンっぽく、『進撃の巨人』に合わせたモンスター感がある。部長自身はまだ、アンチヒーローと巨人のテーマをどこにもっていっているのか解読できていないけれど、とにかくすごい!海外シーンをねらっているのかJ-POPでくくるには難しい、洋楽ライクな作品でレトロポップ・ヒップホップが混ざっているような楽曲。こういったものは日本ではスタンダードではないけれど海外ではスタンダードなのかもしれない。「簡単に言うとカラオケで歌わせねーよ!みたいな感じかな(笑)」

SEKAI NO OWARIの音楽に対する本気さ、ネクストレベル・ステージにいきたいという印象を受け、単純にちょーかっけーじゃん!と思った。『進撃の巨人』も観に行くつもりだけれど、この曲が映画の中でどう使われるのかも気になるところ。いままでのセカオワファンの中でも割れると思うけれど部長は好きな作品。

 

・おたより

〈去年の夏ごろ、部長がシイラを釣った話をしていましたが、先日『シイラですが』という絵本を偶然見つけました。読んでみるととてもコミカルですが最後にはぐっとくる物語でした。部長は小さいころ読んだ絵本はありますか?〉

絵本は読んでいたとは思うけれどあまり好きではなく、好きではなかったくせに自分で描いたりはしていたので、そのときも作ることが好きだったのかもしれない。大人になると絵本って深いなと思うようになる。よく言っているけれど世界的にも有名なショーン・タンの『アライバル』という、一言も文字のない、絵だけの絵本が好き。文字がないので人によって解釈が変わっていくけれどぐっとくる内容で、だれが見ても楽しめる大人向けの絵本。「絵本はいまの方が子どものときより好き」

 

「絵本の話このくらいにしてシイラの話していい?(笑)」ということで、釣りの話。

今年はマグロを釣るのが目標だと言って、いまのところ2回ぐらい行っているけれど去年と違って今年はマグロがなかなかいない。チャンスにも出会えていないので8月に本気出そうという状態。海は自然だから読めない、こっちは釣りたくてもいないものはいない。マグロは釣れないのに逆にシイラはいっぱいいて釣れてしまうので「シイラなんていらねえよ!」みたいになってしまう。それまではシイラ行きたいな~とか言うくせにいっぱい釣れると人って欲深い生き物で「シイラもういいよ」となってしまう。シイラはすごく暴れる魚で船の上に上げると針を外すときに大変なので、部長はもうシイラが釣れそうだと見えるとあえて釣れないようにするんだとか。初めて行く人にとってはシイラ釣りは楽しい、ちょっと難しめの初心者向け。一緒に行った友人もシイラを食べておいしかったと言っていた。「パン粉にバジルを混ぜてフライにしたんだって、おしゃれ~!(笑)」

部長の持論では船長は変な人・やんちゃな人・すけべ(!?)な人が多いらしい。「男性ホルモン多いんかな、みたいな(笑)」

釣りにも専門用語があってその場その場で流行り言葉みたいなのが生まれていく。釣りも実は常に進化していて流行りもあるし新しい釣りが生まれたりするし、ルアーが改良されたりいろんな釣り方が増えたり変わっていったりする。数年前ぐらいから「誘い出し」という釣法があって、ルアーを潜らせては止める、潜らせては止めるという釣り方。その名の通り魚を誘い出すのでこの名前がつき、ルアーの動きは水面下で待っているヒラマサやトビウオが跳ねる瞬間(下からバッと出てくる)に似ている。魚がぱしゃぱしゃやっていたら誘い出さなくてもいるけれど、いるっぽいのに見えないときはこの「誘い出し」でアピールして食わせるらしい。去年から「誘い出し」でやっていて、部長も今年練習してできるようになってきたので、「マグロ何で釣ってるの?」と聞かれたときは「誘い出しだよ」と答えたりしていた。

それが先日、釣りに行ったら船長たちの「今日はナンパで釣って!」と言われた。なんでも「誘い出すから」ということで、いまでは「誘い出し」ではなく「ナンパ」という呼び方になっているんだとか。その釣り界隈では「誘い出し」で釣れなかったことを「ナンパできず」「ナンパしたけど成功ならず」みたいな言い方になっていっている。その船長はたまにテレビで部長のことを見るらしく、先日「今日はナンパしに行こうよ!」という話になった際、「そういえばシゲちゃんはじめまして旅でナンパしてたね!」という話に…(笑) 「成功してたじゃん!今日もマグロナンパしちゃってよ!」と。「まさか思わぬところでリンクしたなって思ったんだけど(笑)」

「いや~でもあれ大変だったよ」「大丈夫だよ最後土下座すれば!」「土下座してもあのときナンパできなかったんだよ!」という話をして、結局その日はナンパできなかったとのこと。そういうふうに釣り用語は本当にどんどん変わっていくし、男だけで行くから中学生の放課後みたいな名前がついていったりとか、このラジオでは言えないようなバカみたいな名前もつけたりするけれど本当に魚好きはバカでおもしろいと思った。「まさかのナンパでリンクしちゃって。アレクさんならすげー釣れんじゃねみたいな(笑)」

 

「こっからは細かい質問のメールに答えていこうかな」 

〈『メレンゲの気持ち』の自宅公開でPCのマウスが左側にありましたが、部長は左で使ってるの?〉

「…左で使うよね?(笑) 左利きは左で使うと思うんだけど」部長の中では右か左かを決めるとき、まず右利きの人と真逆に考えるんだそう。たとえばスノーボードで自分がレギュラー(右)かグーフィー(左)か、どっちかわからないときはまず右の人の真逆をやる、つまりグーフィーでやってみるなど。ギターだけは反対でやらず後悔してるところがあるので、とりあえずそうすることにしているんだとか。「設定とかも全部真逆でやるし、マウスは、左です(笑)」

 

〈最後の「おやすみっ」はジングル?それとも毎週録ってる?〉

「毎週録ってまーす(笑) 毎週言ってます」

 

〈社交部ってどんな部活だったの?部長の人見知りと関係ある?一夜限りでもいいから復活して!〉

まさにその通りで、人見知りを克服するという企画で立ち上げたんだけれど、克服する気がなくなったので休部に。なにをしていいかわからなかったというところもあるそう。ある意味ナンパなんていうのも社交部のひとつで、あとは同じ悩みを抱えている人たちでどう対応していくかみたいな話もあったりした。また機会があればやりたい。

 

・エンディング

写真部のテーマ変えます!新曲「チュムチュム」にかけて「チュムチュムINDIA2015」

チュムチュムからキスをとるのか響きをとるのか、INDIAでインド的なものをとるのか、解釈はみなさんにおまかせ。「ちょっと変なテーマですが頑張ってください!」

 

○主観

2週間書き起こしさぼってごめんなさいでした。仕事の繁忙期を終え晴れて退職しニートマンになったのでこれからはまたちゃんと続けていきます。ニッポンの夏、転職の夏。なんつって。

久々に部長の釣り話たくさん聴けて楽しかった~~~釣りの話してるときの部長がいちばん好き。もちろん他の話のときも話でないときもどんなときも、いついかなるときもしげさんのこと好きだけど、釣りの話のときがなんだか一番無邪気というか、きゃっきゃしていて聴いてる方も純粋な気持ちになれる。釣りが本当に好きなんだな、楽しいんだなって。音楽とか映画とか小説とかっていうのも聴いていてとてもとても興味深いんだけれど、そこにはどうしても解釈や意見が生まれ出でてしまうし、そしてそれを望まれがちだということもまぎれもない事実なわけで。でもそういうむつかしいことを介さずにシンプルに楽しい!好き!おもしろい!ってピュアな雰囲気が伝わってくるから大好き。釣りの話。部長が楽しそうだからわたしもその楽しさを実際に知ってみたい、いつか釣りに行ってみたいと思うのだけれど、なかなか周りに経験者がいないと独学じゃわからないことが多すぎて始めにくいルアーフィッシング…父親にはおまえが釣りなんてできるはずがないって言われたけどそんなことないもん。…たぶん。

今回久しぶりにおたより読んでいただけてとってもうれしー!1月に読まれたときはちゃんと部員ネームも読んでくれたのに2月に読まれたときはなぜか部員ネームを読み上げてもらえなくて。とても寂しくて、もう一度名前呼んでほしいという思いだけでものすごい頻度で送り続けてきたけどそれがいまやっと報われたきもち。うれしい。とても。これからも送り続けるけどなにかひとつのたたかいが終わったような、そんな気分。嬉しい。