自己実現的思想的指向

『靴ベラーです』

 

2015年9月13日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

〈7月26日に「小6がこのラジオを聞いていることがすごい」と言っていましたが、私も小6です。周りもみんな聴いてます〉

「小6の周りみんな聴いてんの!?うそでしょ(笑)」シゲ部はマニアックなラジオと言われがちで、小6にわかりやすくしゃぺるようには意識していないところもあったので少し大丈夫かな、という気持ちになる。「小6聴いてておもしろいのかなって思っちゃいますけど」

ラジオをやっているとついついひとりごとっぽくなっちゃうけれど、こうして「小6でも聴いてます」というメッセージが来たり、メッセージすべてに目を通していると本当にたくさんの方が聴いてくれていると実感する。気を引き締め、小6から70歳80歳の方まで愛されるラジオを届けていきたい。

 

・音楽部

テスラは泣かない。「サラバ」

部長自身はどうでもいいと思っているけれど、最近少し変わった名前のバンドとして取りざたされることが多い。8月26日に発売されたニューアルバム『ジョハリの窓』は、GREAT3というバンドの片寄明人がプロデュースしており、「そことそこつながるんだ!?」とそれだけでわくわくした。激しいサウンドにピアノのメロディーが加わることで少し変わったような印象を受け、けれどロックのテンション上がる感じ(「急に馬鹿みたいな説明になりましたけど(笑)」)で、メロディーが「ゴラァー!」みたいな気持ちになる、本当におもしろい楽曲。

アルバム名の『ジョハリの窓』とは心理用語で、自分の人格を ①自分も他人も知る自分②自分しか知らない自分③他人しか知らない自分④他人も自分も知らない自分 という4つに分類することを指す。医学部卒の村上さんならではのタイトルで、ひとつ勉強になった。「小学6年生も聴いてるって言ってるのにいきなり心理学の話して(笑) 勉強になるからいいのかな」

テスラは泣かない。というバンド名の「テスラ」は、科学者のニコラ・テスラからかと思ったがそこはあまり関係なく、なんとなく響きでつけたんだそう。部長はこのニコラ・テスラという科学者がすごく好きで、彼がいなかったら我々はいま電気を使えない。エジソンが一番有名だけれどタメを張るくらいの超天才発明家で、交流電源や蛍光灯、熱伝導、リモコンの原理、太陽発電などを発明した。ニコラ・テスラが発明した静電気コイルみたいなものをテスラコイルと言う。エジソンが作ったのはざっくり言うと一方通行の、片方しか電流が流れないものだったけれど、テスラの発明は稲妻みたいに両方交流できる、どちらからも電気を送れるもので、コンセントはその理論なんだそう。エジソンはこれを「机上の空論、危険すぎる」と評しふたりはバトルした。その際、安全を証明するためにテスラコイルの稲妻の真下でニコラ・テスラが本を読んでいる広告が作られたとか。ふたりのやりあいはめちゃめちゃおもしろいけれど、テスラエジソンが目立ちすぎていて影に隠れているかわいそうな天才。「…からきてると思ったけど全然関係ないみたいね」

また、今回の曲名「サラバ」というと西加奈子さんが出てくるけれどそれもまったく関係がない。「まったく関係ない話を今日はいっぱいしてますね(笑)」

 

・おたより

この件についてのメッセージがすごくたくさん来ていて、やっぱりこういうふうなことを言うのは誤解を生むだろうなと思っていた。訂正するのもなーとは思うけれど、こういう話題に女性はとても敏感なので誤解を恐れずにもう一度話したい。

先日の『ビビット!』で、世界各国の、その国の女性から見た理想の女性の体型という調査があり、その中でどの国が一番好みか聞かれた。日本はないけれど中国がすごく細く、中国人の女性の理想体型はそのような感じで、おそらく日本でもやったらそれぐらいだろうと、半分バラエティー的なノリもあり一番細い中国を選んだ。そして「細い人が好きです!」と言ったらたくさんメールが来た。

〈中国の方の体型が好みという発言に驚きました。やせる決心がつきました〉

〈細い人が好きと言っていて思わず硬直しました。細くなります〉

〈スレンダーが好きな気持ちはわかります〉

「これはデリケートな話ですけど」

〈昔から部長のファンの友人は病気でむくみがちで、普通より身体が大きいのでコンサートに行くのが恥ずかしいと言っていました。やせている人が好きというのは好みの問題なので仕方ないとは思いますが、それで傷つく子もたくさんいます〉

正直な話、聞かれたら言うけれど好きなタイプとかはあまりわからない、と言う部長。あんまり外見そのもの、そこだけに女性の魅力を見いだしていないし、外見は第一印象を司る部分なのでもちろん大事だけれど、どちらかというと思考や考え方にすごく惹かれる。そういった内面が表面に出てくるということもあるが一概にやせている人が好きなわけではなく、もっと誤解してほしくないのは太っている人が嫌いなのわけじゃないということ。その人らしかったらなんでもいい。

ただ、ダイエットに成功した人がすごい好きで、なぜかというと自己実現のために節制したり運動したりする、努力を感じるから。ちょっとぽっちゃりでも健康的なら良いけれど、肥満ということになってしまうと健康的にも害するし、かといってやせすぎていても良くない。健康的な範囲で、ビジュアル的に健康的になりたくてダイエットするという努力が(携帯の受信音「あすいませんね(笑)」)見えてるとすごくかっこいい。努力家で、理想が高いと言ったら悪く聞こえるかもしれないけれど、なりたい自分になるために努力を惜しまないのがすごいし、共感できるところもあってかっこいいと思う。

やせてる人が好きなのではなく、ダイエットしてやせて綺麗になる、そこに向かって頑張るという考え方の方が好き。太っている人だって太りたくて太っているわけじゃない、病気の方もいるし、忙しくて楽しみが食べることしかないという人もいる。それはそれで良いことで、みんながモテたいわけじゃないしモテるために美人になる必要もない。モテたいならやせればいい。それぞれのやり方で体型というものがなっているので、女性の体型はどんなものでも基本的に否定はしない。

やせたいと思っている人の背中を自分の言葉で押せたらいいけれど、みんなやせろと思っているわけではない。細い人が好きというのはテレビ的な部分もあったけれど、極端な発言をしてしまってそこは申し訳ないと思っている。どっちかというと体型よりも性格で、好きなタイプを答えなきゃいけないときはよく「品のある人」と言っている。たとえば字が綺麗というのは人を意識しているということで、字が汚い自分がいやだとか、綺麗でありたいとか、もしかしたら習字を習っていたかもしれないけれどそういった美的追求心、品やわびさび的な部分が人として良い。「字が汚くたっていいじゃん、だれも見ないし、いまはパソコンの時代でしょ」と言う人よりは、さらっと書いた字が綺麗っていいよねということがわかる人に魅力を感じる。けれど、じゃあ字が汚いからその人が下品とも思わない。「ね。これ誤解しないでほしいんですよ(笑)」

加藤くんの発言で盛り上がってます!みたいなメッセージもあって、確かにそういうのもわかるけど自己実現的な努力家の人がかっこよくて尊敬しているということ。「回りくどくて…すいません!(笑) 外見だけで僕は人を好きにならないってことです」

 

〈日常で靴ベラ使う?〉

誕生日プレゼントに小山さんから靴ベラをいただいたということで、靴ベラの話。部長は靴ベラに対して異常なこだわりをもっていて、まず木製の靴ベラは割れるから嫌いだそう。日常のストレスのひとつに靴を履くのがめんどくさいというのがあり、ひもをいちいちほどいたりやってられない。「それぐらい無精なところあるんで」

けっこうひもでぎちぎちでも靴ベラを使ってスパッと足が入る靴が理想で、特にライブでは靴ベラを使う。ライブは踊るから靴がゆるゆるでスパッと入ると踊れない、でも時間がないからすぐ履かないといけないというとき、靴がぎゅうぎゅうでも気合いで入れてくれる頑丈な靴ベラが必要。部長はほとんど人に怒らないけれど靴ベラだけはすごい指示するそうで、絶対に木にしないでくれ、ステンレスでもなんでもいいから金属製を用意してくれ、しかもロング、と頼んでいるとのこと。いちいちしゃがんでいられないし、短いよりも長いものの方が支点・力点・作用点的なところで強い。1回木の靴ベラを用意されることがあって、「だから靴ベラは金属って言ってるだろー!」と若いときにキレたことがあるくらい、靴ベラに対して異常な執着、こだわりがある。そんなに言っているのに、それを知らない親が遊びに来たとき「靴ベラ持っておきなさい」と置いていったのが木製のもので案の定割れてしまい、「だからさー木の靴ベラはダメって何回も言ってんじゃーん」と言ったこともあった。

3か月ぐらい前に思いきってめちゃめちゃ良い靴ベラを探し、金属製の、頑丈でデザイン性も高いものを見つけた。人生で一番理想の靴ベラに出会えた!と思っていたら小山さんが靴ベラをいただいてしまった。高級ブランドのものなんだけれどまさかの木製…さすがに「小山さん、おれは金属の靴ベラしか使わないんだ!」とは言えなかった部長。すごくきれいな一枚木の靴ベラ(じゃないと割れるから意味ない)で、一応靴ベラコーナーに置いたものの、丁寧に布まで入っていてそもそも使うのがもったいなく、壊れそうな気もするので小山さんには申し訳ないけれどまだ使えていない。小山さんにもらったものは見た目も美しく「いいなあ…ただ金属じゃないなあ…」と思っている日々で、いっそのこと靴ベラを集めようかなと考えているとのこと。「靴ベラ―です。シゲは靴ベラーということを以後知っていただけると(笑)」

 

 ○主観

今日のシゲ部はこれはまたほんと~~~~~~~に難しいところ突いてきたなあと。とりあえず率直な感想としては体型の件についてシゲ部にメール送った方々全員にそこはかとない怒りが止まらないので、いったん自分冷静になろうねという感じではあるけれど。なんだろうなあ。難しいね。加藤シゲアキという人がアイドルとして生きていることを考えたとき、それを傍から見ているとき、どうしてこんなに難しさを感じるのかな。それはわたしがつくりあげたまったく主観的な難しさでもあると思うし、でも正しく客観的に存在する難しさでもあると思ってる。そういうところがよく「シゲはめんどくさい」と表現されることに反映されてるのかなとも思うけど。めんどくさい、のかなあ。めんどくさくしてるのは自分の心だよね。わたしだってまだ好きになって間もない身で、しげの考えてることあたしは理解してる!だなんてミジンコたりとも思ってないけど。そういうことを知っていくたび、そしてそれを愛したいなと思うたびすごく怖くなるよ。わたしは「外見だけで人を好きになったりしないです」って一生懸命語ってくれるひとのことを外見だけで好きになったから(もちろんそれは恋愛的意味合いにおいてではないから一概に同じ性質の問題として取り上げるわけにはいかないけれど)、その事実はもうどうしようもないもののやっぱり自分で引っかかっちゃうところがあるんだよね。どうしようもないね。まあなんだかんだ、そういうところが好きだなあと思うあたり、実際のところはなにも怖がってないのかもしれないけども。

靴ベラの話、詳しく聴けておもしろかった~~まさかの地雷をピンポイントで踏み抜いてきた小山さんからの誕生日プレゼント…良いものだけど木製だしもったいないから使えない、っていうのはわかるけど、そっからなんで靴ベラ集めに飛躍したんだろうか。よくわからないけど、しげさんのもとに素敵な靴ベラが集まるといいなとぼくは思いました。(小学生並みの感想)