見せても見えず見せずとも見え見たと見ないとミセレニア

『おれが全部さらけ出してると思ったら大間違いだからな』

 

2015年11月29日放送●SORASHIGE BOOK

 

・オープニング

「11月もあと1日で終わりですけどもね」いろんなものが発表になったのでお知らせ。

〈『傘をもたない蟻たちは』ドラマ化決定おめでとうございます!原作者がドラマに出演することは稀ですね。一番キャラクターについて考えた部長の演技楽しみです〉

〈『傘をもたない蟻たちは』の連ドラ化おめでとうございます!ネットニュースには制作担当者からの熱烈オファーと書いてありましたが本当ですか?〉

すごく丁寧で誠実な方たちで部長に会うのが緊張するとおっしゃってくれたけれど、たくさんすごいドラマを作っていたチームなので部長の方が緊張した。『ピンクとグレー』のとき同様、作品に愛を注いでくださっている。お会いするまえに全体的なプロットみたいなものをいただいていたけれどおもしろかった。短編集のドラマ化はいろんなやりようもあって難しい中、「こういうふうにするんだ」とやり方もおもしろく感じたし、毎回いろんな仕掛けがあったりするのでそういう部分でもおもしろい。

因数分解して再構築させてもらいました」という言い方をされていて、ニュアンスが伝わるかわからないけれどまさにその通りなんだそう。一つひとつの物語を良い感じに崩してひとつの物語にしていて、すごくおもしろい試みだなと思った。「加藤くんにもぜひ出てほしいです」と言われ、主演は桐山漣さん、部長はオリジナルと言うほどオリジナルではなく…という役。いろんな仕掛けがあってネタバレになってしまうのであまり言えないけれど、物語の前半部分で作家の幼なじみとして突然やってくる男の子を演じさせてもらうとのこと。

自分の中で、原作者として応えなくてはいけないときと、役者として自分がどう演じるかという2つがある。いまはまだぶつかってはいないものの、役者としてはこうしたいけど原作者としてはこうしてほしい、というようにぶつかったりしたらどうなるのかなという気持ちもある。台本もできてだいぶ進んでいて、奇しくも『ピンクとグレー』の映画公開と同じ1月9日から放送。「おもしろいタイミングで加藤シゲアキ、たくさんの方からフューチャーしていただいて(笑)、ほんと嬉しい限りでございます」

追っていろんな情報を話していきたいし、まだまだお知らせできることがあるのでお楽しみに!

 

・音楽部

きのこ帝国「怪獣の腕のなか」

「まーかけるよね!きのこ帝国!(笑)」いつ来るか11月11日!というくらいめちゃめちゃ楽しみにしていたという部長。「すっかり手越の誕生日ってこと忘れてました(笑) 手越の誕生日よりもきのこ帝国の発売日でしたね、完全に」

前回きのこ帝国の「クロノスタシス」をかけたとき実はまだインディーズで、11月11日に発売されたのがメジャー1stアルバムの『猫とアレルギー』。「非常に他人事ではないタイトルでございます、猫アレルギーの僕としてはね(笑)」

メジャーに行った分だけ全体的にすごくスケールアップしたなという印象を受けた。1曲1曲が立っていながらアルバムとしてまとまってすごく良いバランスで、生意気だけれど期待を裏切らないことが本当に嬉しかった。この一年『フェイクワールドワンダーランド』を聴き続けたくらい大好きなので、今年もそういうアルバムを聴けるようになって嬉しい。スケールアップと言いつつも全体的に優しく、その優しさの中に若干のトゲみたいなものがあったり、かつ、別れの歌が多い。メジャー移籍していろいろあったのかなと、決別など深読みすることもできるものの、単純に楽曲としてもすごく良かった。

今回かける「怪獣の腕のなか」のMVは動画サイトでも公開されており、メロディーもくせになる。普通に読むとラブソングの印象を受けるけれど「だれかを拒むための鎧など重たいだえだから捨てましょう」など、そうだよねと思える歌詞もある。「人見知りとかしてる場合じゃないよなっていう…(笑)」

そういうのが胸にくる歌詞とメロディーで、MVもすごく良いのでぜひ見てほしい。「とにかく好きなんでかけたいと思います」

 

・おたより

そんなに話せることは実はまだないけれど『ピンクとグレー』のスピンオフの話。

〈映画『ピンクとグレー』公開に先駆け、『野性時代』にスピンオフが掲載されるそうですね。本編のどの時期、どの人物を、どの視点で描くのか想像してしまいます〉

「ありがたいですね」6月くらいに「ぜひ」という話をいただいていたものの、そのときはまだライブ中だったのでなんかな~と思いつつ、11月だったらそれまでに考えときま~すという感じだったそう。そんなこんなしているうちに〆切がやってきて、常になにかしらを書いている一年なのでその中で考えていたものもあって、今回引き受けさせていただいた。また、スピンオフに挑戦するにも良いタイミングだと思った。短編をやっていて「このキャラクターでスピンオフできそうですね」という話はよくあったけれど、スピンオフはあくまで元のストーリーがあって作るアナザーストーリー。続編ではなくスピンオフの場合は本作をぶれさせず、本作のもっている魅力をあまりけがさない、崩さないことを大事にしなきゃという思いがあった。

ただ、『ピンクとグレー』のスピンオフと言われたとき、このキャラクターだなと決めていたそう。『ピンクとグレー』幼少期のシーンで『スタンド・バイ・ミー』みたいと言われている4人組がいた。『ピンクとグレー』の書き手であるりばちゃん、親友のごっち、サリー、そしてもう一人、アヒルを飼っていた木本くんで、木本くんは最初しか出てこない。今回はその木本くんの視点から「一方そのころ…」という感じで書いたそう。

『ピンクとグレー』は具体的なモデルがいるわけではないが、部長が当時住んでいたアパートには実際にアヒルを飼っていた人もおり、いつも同級生だけでなく1~2コ上の子たち4、5人とつるんでいたような仲の良いマンションだった。いまでもそのマンション名のグループLINEがあって、いまでも3人ぐらい同時の人と会うそう。その仲間と半年ほど前、久々に会って話した。彼が木本くんではなく、話は違うけれど彼ははたちすぎで結婚し、この間会ったら離婚してすごく太っていて、インターネット回線を売っていたとか。全然勉強はできなかったけれど回線の知識がめっちゃあった。

そんな話はスピンオフには全然書いていないもののそういうのもあって、なんとなくそこから雰囲気やキャラクターをふくらませて作った。同級生や親友に子どもがいたりする世代なのでそういうことも含めて書かせてもらった。原稿用紙30枚ぐらいといままで書いた短編の中でも一番短いけれど、そういう意味でも優しく切ないストーリーになったし、書いたばっかりということもあって気に入っている。『ピンクとグレー』を読んでいなくても楽しめるようにも書いた。ただ、『ピンクとグレー』の世界を知っていた方が別ワールドを楽しめるのではと思うので、『ピンクとグレー』が大好きな人にはぜひ読んでほしい。

 

「これもすーごい来たのよ」ジャニーズwebで始めた連載について。

〈ジャニーズwebの新連載「シゲアキのクラウド」おめでとうございます!猫のいない連載ということで、シゲアキさん自身の目線から書かれるそうですね〉

〈連載スタートおめでとうございます!常日頃から「シゲくんの書く文章になりたい」と豪語している私としては本当に日々の糧になります〉

〈タイトルから加藤シゲアキ感がすごい。ロゴもかわいいのでTシャツやトートバッグにして売ってほしい。タイトルセンスもロゴも内容もたまんねえな!天才じゃん!加藤シゲアキ天才じゃん!ってなりました〉

「嬉しいっすね!」来週も「シゲアキのクラウド」話するのでお楽しみに!

ずっとやりたいなと思っていた。もともとやっていた「吾輩はシゲである」という連載があって、いまの作家という立ち位置がある。ただ、自虐ネタばっかりですごく身を削るので猫はもうあれだなーと思って区切っていた。NEWSのwebページは小山さんのとNEWS RINGだけで殺風景だなと思っていて、月額300円ちょっと払ってる人に申し訳ないので、僕みたいな人がやらないといけないと客観的に思っていたところもあった。ずっと言っていたけれど口ばかりだと動かないので、「おれやるよ!書くから!」と、タイトルも決めてロゴも描いて、わりと自分で主導した。もともとコミュニケーションもあったwebの人とやりとりしつつ、今回やっとスタートさせることができた。

何を書いていいかわからないけれど好きなこと書くというので許してと思い、「シゲアキのクラウド」というタイトルに。タイトルもいろいろ迷ったものの「シゲアキ」「クラウド」とカタカナのバランスも良く、そんな感じで書かせてもらった。笑えることから宣伝から、真面目なことなど、なるべく更新していきたい。そこでちょっとずつ日々ちっちゃい小説を書いたりするのがいいんだろうけれど…「そんんな余裕どこにあるの!?(笑)」

時間は作るものだと思ってはいてもなかなか難しい。ただ、夢は広がるし「web版シゲ部ですね!」というメールもあったりして、もしかしたらそういう感じもあるかもしれないので部長の頭の中を覗いてほしい。この前ファンレターに「脳みそ露出狂ですね」って書いてあったけれど、みんなに喜んでほしくてやっているのであって、露出狂だったらみんないやがるじゃん!と憤慨する部長(笑) 「まああとな、おれが全部さらけ出してると思ったら大間違いだからなっていうドSな気持ちもあります(笑)」

 

・エンディング

写真部のテーマがずっとチュムチュムだったので変えようと思ったものの、いつものように新曲にからめて「四銃士」だと難しいので、webでの新連載を開設したということも含めてそこからテーマ決め。連載にも書かせてもらった、簡単なパターンを組み合わせて絵を描く「ゼンタングル」というものがある。部長も好きでたまに描いたりしていて、絵を描くのが好きな人にとってはストレス発散にもなる。メールでもすでに自分で描いたゼンタングルを送ってくれている人もいて、それがすごいクオリティだった。「リスナーに絵が上手い人がいっぱいいるんじゃないか」という部長の勝手な想像も含めて今回はイラストという新たな挑戦。ということで新テーマは「ゼンタングル2015」。いろんなゼンタングルを描いて送ってください!

 

○主観

ピングレスピンオフ楽しみだな~~だれ視点かな~~と思っていたらまさかの木本くんだった…!木本くんの目で切り取った『ピンクとグレー』はどんな世界なのか、いまからすごくわくわくする。野性時代っていつも難民になりかけるから今回ちゃんと予約しようと思って近所の本屋で予約したら「毎月1冊入るからたぶん来月も1冊入ると思うけど入らなかったらゴメンな!そのときは連絡するわ!」って言われてわろた。いやいや毎月1冊しか入らないんか~~い。野性時代がもしポケモンだったら即マスターボールか、キノコのほうしで確実に眠らせてからのハイパーボールぐらいしないと捕まえられないくらいのレアポケモンだね。来月ちゃんとその1冊が入荷しますように。野性時代難民はもういやだ…。

シゲクラについてのメール、ほんとうっれしそうに読み上げるから聴いてるこっちまでうっれしくなっちゃうな。特に最後の人の文面のテンションと、部長の読み上げるテンションの掛け合わせが最高。めっちゃ笑った。わたしもあのロゴでグッズ作って売ってほしいし、さりげなく使ってしげ担アッピしたい。わたしは猫の時代を知らないからその点では「猫はどこかに行ってしまった」ことを体感として飲み込むことはできないけれど、猫もシゲも、ずっとずっと愛されているし愛されていくんだなって思うと改めて新連載がものすごく重みのあるものに感じる。だってメン愛とRINGだけでも324円十分もととれてたのに、そこにさらにシゲクラが加わって、なんか本当に…なんか、愛されてるなあ。愛されてるね。

最後にちょっと自慢する。今月のシゲ部、放送5回中3回読まれたの。今回も読まれたの。向こう1年くらいもう読まれないんじゃないかって思うと怖いけど、これからも部長の琴線にちょっとでもふれられるようなメールが書けたらいいな。

 

miscellanea:[名](複)〈しばしば単数扱い〉(特に文学作品の)雑集,雑録